
業者からアスベストが出たと連絡がありました。除去費用の追加やこの先住んでいいか不安です。
購入した物件から巾木の接着面にアスベストが含有されるという結果が出ました。orz リノベーションを計画する際に、事前検査でアスベストが発見されることがあります。アスベストは、適切に取り扱わなければ健康リスクを引き起こす可能性があるため、しっかりとした対応が業者に求められます。この記事では、アスベストの種類に分けて、非飛散性アスベストと飛散性アスベストのリスクや除去費用について解説します。最後まで読んでもらえれば、漠然とした大きな不安も適切に受け止め、対応策を業者と相談することができるようになります。
この記事を書いた私は、リノベーション業界で営業担当をしており、住宅ローンや税務に関するお客様の相談を日々受けています。物件購入から住宅ローン、税務まで、幅広くお手伝いしていますので、信頼性のある情報をお届けします。
そもそもアスベストとは何?そのリスクと危険性
アスベスト(石綿)は、以前の建物に多く使用されていた耐火性や断熱性に優れた建材です。しかし、アスベストの繊維は空気中に漂うと非常に微細で、吸い込むことで肺がんや中皮腫など深刻な健康障害を引き起こすことが知られています。そのため、現在では多くの国で使用が禁止されています。しかし、基本的に住んでいて健康リスクが上がることはありません。アスベストが含まれている素材を破損したり解体して壊した時にそれを吸うと健康被害が発生します。なので、解体したりせずに普段の生活をしている分には問題ありません。
アスベストがでる建物とは?
1980年以前に建てられた建物には、アスベストを含んだ建材が使用されていることが多いです。この時期はアスベストが建築業界で広く使われており、天井や壁、床、外壁、配管など、建物の多くの部分に使われていました。
しかし、1980年以降の建物でも検出される可能性はあります。(実際、私の購入した物件は築35年)理由としては、1980年以前に作った資材が流通して時間差で家に使用されるためです。
築30年のマンションでもお客様によっては全然検出されることは珍しくありません。
アスベストの種類とリスク
アスベストはその状態によって、非飛散性アスベストと飛散性アスベストに分類できます。それぞれのリスクや除去方法、費用が異なります。吸い込んだ時に健康被害がでるので、飛散するタイプのものなのか飛散しないタイプのものなのかで除去費用は全然違います。ちなみに巾木の接着面から検出されたアスベストは非飛散性でした。以下で詳しく見ていきましょう。
非飛散性アスベスト
非飛散性アスベストは、アスベストの繊維が固く結びついており、空気中に飛び散りにくい状態です。アスベストセメント板などの建材に多く使用されています。
非飛散性アスベストのリスク
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破損や摩耗のリスク
非飛散性アスベスト自体は、通常は飛散することがありません。しかし、建材が劣化したり、破損することにより、アスベストの繊維が空気中に放出されるリスクがあります。 -
リスクが低い
破損しない限り、アスベスト繊維は空気中に飛び散らないため、健康リスクは比較的低いです。
非飛散性アスベストの除去費用
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封じ込めやカバーリング
非飛散性アスベストの建材には、封じ込めやカバーリングが最も一般的な対策です。これらの方法は比較的費用が抑えられ、数万円~数十万円で対応できます。 -
除去作業
もしアスベストを完全に除去する場合は、作業費用として数万円~数十万円が目安となります。作業自体は1~2日で完了することが多いです。
飛散性アスベスト
飛散性アスベストは、アスベストの繊維が非常に細かく、空気中に簡単に漂ってしまう状態です。吹き付け材や塗料など、アスベストが飛散しやすい場所に使われていることが多いです。
飛散性アスベストのリスク
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健康リスクが高い
飛散性アスベストは、破損したり、解体作業で扱う際に空気中に繊維が拡散しやすく、吸い込むことで肺がんや中皮腫などの健康被害を引き起こすリスクが高いです。 -
広範囲に拡散する恐れ
飛散したアスベスト繊維は広範囲に拡散し、作業員や周囲にいる人々が吸い込むリスクを大きくします。特に解体作業や老朽化した建物の場合は、注意が必要です。
飛散性アスベストの除去費用
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除去作業の費用
飛散性アスベストの場合、安全に除去するためには、専門的な設備と高い技術が必要です。費用は20万円~100万円以上が目安です。特に広範囲の作業が必要な場合、作業費用が高くなる傾向があります。 -
作業期間
除去作業は1週間以上かかることもあります。大規模な除去作業では、1ヶ月以上の期間を要することもあります。
まとめ
アスベストの除去費用やリスクは、その種類によって大きく異なります。非飛散性アスベストは比較的リスクが低いため、封じ込めやカバーリングで対応することができますが、飛散性アスベストは非常に危険で、除去作業には専門的な対応が必要です。
除去費用を抑えるためのポイント
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プランを変更するように設計士に相談する
解体しなければ除去費用を抑えることができます。例えば、天井にアスベストが出た場合は上から天井板を上張りすることで除去費用を抑えることができます。但し、天井高が低くなるなどのデメリットも生じるので、設計士に相談してみましょう。 -
計画的に除去を進める
除去方法や作業計画をしっかり立て、必要な費用や作業時間を予め把握することが重要です。
リノベーションを安全に進めるためには、アスベストの種類に応じた適切な処理を行い、専門業者と連携して作業を進めることが必要です。